グラン パティシエコース特別週間!『ホテルインターコンチネンタル 東京ベイ エグゼクティブ シェフ パティシエ 德永純司 氏』が教える「フロマージュ クリュ」とは?

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2018.08.18東京

授業/特別講師/講演会

2018年4月に開校した『グラン パティシエコース produced by Toshi Yoroizuka』には、さまざまなシェフのレシピや考え方を学ぶ特別週間があります。

 

▼グラン パティシエコースとは?

https://www.lecole.jp/special/grandpatissier_toshiyoroizuka/index.php

 

今回は、クープ・デュ・モンド世界大会 準優勝などの経験をもつ、ホテル インターコンチネンタル 東京ベイ エグゼクティブ シェフ パティシエ 德永純司 氏をお招きしました!

 

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教えていただくのは、シェフ自ら考案した「フロマージュ クリュ」。

 

このレシピを選んだ理由は……?

 

「レアチーズケーキは、万人にウケると思って!(笑)」と、お茶目に笑う德永シェフ。

ちなみに、こちらのスイーツはホテルでも販売されていて、定番の人気メニューなんだそう!

 

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構造は、下から順番に…

シュトロイゼルアマンド

コンフィチュール

ムースフロマージュ(中にはジェリフィエルージュ)

クレームフロマージュ(ナパージュでコーティング)

周りをトランペショコラが包む、と、いくつもの層から成り立っています。

 

さっそく、ポイントを教えていただきましょう!

 

<ジェノワーズアマンド>

使うのは冷凍全卵。グラニュー糖と合わせて泡立てていきます。

 

德永シェフ 「卵をあたためる方法もありますが、僕は冷凍の卵を使います。理由は、泡立ちをよくするため。冷えたままだと、泡立つまでに時間がかかるため、その分じっくり泡立てることができて気泡が細かくなりやすいです」

 

さらに、薄力粉にアーモンドプードルを加えることで卵臭さを消し、香り良く仕上げるのもポイント!

 

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<ジュリフィエルージュ>

冷凍ストロベリーホール、冷凍フレーズ デ ボワ(野イチゴ)ホール、冷凍ラズベリーホールを、グラニュー糖と一緒に、ヘラで潰しながらたいてきます。

 

德永シェフ 「目安は果肉感が残る程度まで。冷凍ベリーを使うのは、細胞壁を壊すことで、煮たときに砂糖と水分をなじませるためです」

学生たちは、シェフの手もとを見ながら、手順を細かく書き留めていきます。

 

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<クレームフロマージュ>

ボールに、サワークリーム、クリームチーズを入れて柔らかくし、グラニュー糖、トレハロースを入れます。ここに、生クリームを数回に分けて入れていきます。

德永シェフ 「一気に入れるとダマになりやすいから気をつけて」

 

ブレンダーで泡立てたら、最後の仕上げは手作業で行います。

 

德永シェフ 「レモンの皮を削るときは、力を入れすぎないこと。表面の爽やかな香りだけを入れていきます」

絞り袋に入れて、均一な高さになるよう絞ります。

 

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<ムースフロマージュ>

卵黄に、グラニュー糖と水を入れて、もったりする程度まで泡立てます。

 

德永シェフ 「ポイントは、このパータ・ボンブ。卵黄が加わるので、イタリアン・メレンゲよりも、より卵の風味が感じられますよ」

隠し味に、カルピスを入れるのも斬新。このひと手間で、風味が良くなるそう!

 

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<仕上げ>

ショコラブランと、フリーズドライラズベリー、サラダ油で作ったトランペショコラに、冷凍したムースフロマージュをくぐらせます。

また、クレームフロマージュはナパージュで全体をコーティングしてツヤを出します。パーツを重ね合わせたら、できあがり!

 

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さあ、この後は、德永シェフのデモンストレーションを参考に学生たちも実習スタートです。

 

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試食タイムでは、德永シェフが作ったフロマージュ クリュと、自分たちのものを食べ比べします。見た目も味も、かなり違いがある様子!

また、時間の都合上、デモンストレーションのみでしたが、シェフお手製の「ケークマロン」も振る舞われました。

 

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試食タイムは、德永シェフへの絶好の質問タイムでもあります!

 

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———— ホテルの一日の流れを教えてください。

德永シェフ 「朝の出勤は、7時くらい。まず、ショップのケーキを10時頃までに仕上げます。その後、婚礼、宴会のデザートを作り、11時か12時頃に1時間休憩します。社員食堂で食事もできますし、仮眠する人もいます。お昼の後は、次の日の仕込みに取りかかります。16時か17時頃に終礼して、帰る人もいればコンクールの練習をする人もいます。個人店との違いは、ホテルには宴会、ウエディング、ブッフェがあることです」

 

———— なぜ、パティシエを志しましたか?

德永シェフ 「小さいときから、物をつくることが大好きだったから。祖父が和菓子職人だったこともあり、料理人かパティシエになりたかったんです。大阪のホテルに就職し、1年間サービスを経験して、調理部門を経てからパティシエとしてのキャリアをスタートしました」

 

———— コンクールに参加して良かったことは?

德永シェフ 「技術力が上がること、他のホテルの人たちと交流ができることですね。あとは、キャリアアップにつながりやすい。僕の場合、若いときは、自分が思うような仕事ができない葛藤や、先輩に意地悪をされて辛い時期もありましたが、更に上を目指したいと思ってチャレンジしてきました。結果を出せば達成感もあります。今後は、若手の育成に力を注いでいきたいですね」

 

最後に 「どこで働くかによって、パティシエとしての人生が変わると思います。ぜひ、いろいろなところを見て、雰囲気を知って、いろいろなものを食べてほしいと思います。これからも努力を忘れずに頑張って」とエールを送りました。

 

 

講義を終えて学生たちの反応は……

 

「鎧塚シェフのレシピと違うところが面白かったです。ただ、これまで温度にシビアなものは扱ってこなかったので、みんな少し失敗してしまったところもあると思う」

「クリームチーズなど、使ったことのない食材が多くて新鮮でした。思うように仕上がらない部分もあったので、家でもまた作り直します」と、手応えを感じていました。

 

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最後はみんなで記念撮影も★

 

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德永シェフ、細やかで熱いご指導をありがとうございました!

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