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2025.08.15東京
授業/特別講師/講演会
レコールバンタンでは、在学中から開業を目指す「独立開業チャレンジ」プログラムを実施しています。

1からお店を立ち上げ、マーケティング、レシピ考案、原価計算、店舗運営、経理、販売までをトータルで実践できるようにサポートする内容です。

これまでに、
4月:説明会参加者……70名
事業計画書の1次審査を経て、
5月:2次審査(プレゼンテーション)……46名
6月:最終審査(試作)……16名(全8チーム)に、しぼられました。
今回は、6月に実施された最終「試食」審査の模様をダイジェストでお届けします。

審査員は、末廣憲頼講師。評価項目は、「シズル感」*「コンセプト表現力」「オリジナリティ」「商品クオリティ」「ビジネス」「ボーナスポイント」の6項目で評価されました。
【1. 近藤茉弥さん、金杉悠斗さんチーム】
看護師として5年の勤務経験を持つ近藤さん。「嚥下食(えんげしょく)*の味や色が単調なことが気になっていました。食べられる喜びを思い出してもらえるよう、“見た目が華やか”で食欲をそそる嚥下食ケーキを提案したい」と語ります。

【販売予定商品】
- 和・ムース(抹茶とこしあんのムース)
- 蜂の巣ムース
- 黒ゴマとさつま芋のムース
- パンナコッタ(各450円想定)

末廣講師からは、「やわらかくて甘さもナチュラル。素材の味がいきており、美味しいです」と高評価。

一方で、「各30個を仕込むと想定して、味の安定性は保てますか?」という指摘もありました。
金杉さん「そこまで難しくないです。味のブレも少ないと思います!」
近藤さんは「平均客単価は800円〜1200円程度を想定しています」と、講師からの質問にも的確に回答。
【懸念点】
① 保存性
近藤さん「ゼラチンで形を保っているため、保存性が弱点になるかもしれません」
金杉さん「保冷バッグで保存し、翌日も崩れませんでした」
末廣講師「箱に保冷剤を入れた場合の持ち時間や、保冷バッグ使用時の保存状態など、食べるまでの時間も含めて検証が必要です」とフィードバック。
【2. 中井理名さん】
香川県出身の中井さんは、地元の特産品を使った商品を開発。店舗名「おんまい、いた」は、讃岐弁で「お菓子、ください」を意味します。

【販売予定商品】

- 「さぬきふじ」(400円)
丸亀市飯山町の飯野山をモチーフにし三角形のフィナンシェ。うどんにも使われる「中力粉」を使用

- うまげなくっきー(いりこ、えび、オリーブ、塩) 各100円、詰め合わせ300円

- まっついゆきだま(スノーボールクッキー/はったい粉、うぐいす粉、和三盆) 各300円、食べ比べセット500円

- せとのはな(ジャムクッキー)300円
ドリンクには、香川の果実ジャムを炭酸水で割った「はなそーだ」、香川県産・高瀬茶(各300円)を提案。「香川県=うどん県というイメージが強いですが、他にも特産品があることを発信したいです」と意気込みます。

末廣講師「焼菓子は高瀬茶とのペアリングが非常に良く、個性も出せています」と評価しました。
【懸念点】
① 米粉の状態と価格
中井さん「スノボ―ルクッキーの和三盆味には米粉を使いました。香川県産『おいでまい』をミルサーで粉砕し粉にしていますが、状態にばらつきがあり、入手も難しいです」
末廣講師「送料や安定供給の問題もあり、仕入れ管理が課題になりますね」
② 販売価格
末廣講師「1枚300円は少し高い印象。個包装による手間や資材費も加味し、例えば焼き菓子2種+髙瀬茶で1000円などのセット販売も検討してみては?ファストフード店が、なぜコーラをセットで販売しているのかを考えてみて。店頭では、香川県への思いを伝えることが大切です」とアドバイス。
【3. 近藤綾音さん、汲田朱里さん、小林亜梨沙さん】
「Epice et Delicie(スパイスとおいしさ)」をテーマにしたショップを展開。

【販売予定商品】

チョコテリーヌ(ラズベリー×ピンクペッパー/抹茶×山椒/珈琲×カルダモン)
- チーズテリーヌ(レモン×キャラウェイ/紅茶×スターアニス)
価格:350〜420円(原価30%を想定)
人気商品は「レモン×キャラウェイ」とのこと。

末廣講師「一口サイズでは美味しいですが、1個まるごとだと重く感じるかもしれません」とサイズ感に言及。
【懸念点】
① パータグラッセ(コーティングチョコ)の厚み
末廣講師「チョコが分厚すぎると、テリーヌの口溶けやスパイスの風味が感じにくくなります。チーズテリーヌなら厚めでもよいかもしれません」

② 販売価格
末廣講師「価格を420円に統一し、ランキング掲示など工夫すると購入につながりやすいです」と提案。
また、製造工程について、小林さんは「一つずつチョコレートをつけているのですが、温度管理が難しく、表面にヒビが出ることがありました」と振り返ります。テリーヌは冷凍で仕込み、チョコレートは当日朝の仕上げを予定しているとのこと。

末廣講師「安定性も良く、ビジュアル・価格ともに優れています」と評価しました。
【4. 小林楓さん、西嶋杏奈さん、吉本陽菜さん、多々良花さんチーム】
「スイーツ×ドリンク」をコンセプトに掲げたチーム。

【販売予定商品】
ゼリードリンク:
- ゼリー×ラテ
- ゼリー×ティーラテ
- ソーダ×ティー

ドリンク:ラテ、ティーラテ、アメリカーノ(全てカフェインレス想定)
味変シロップ6種、米粉のクッキーも展開。
【懸念点】
末廣講師「ソーダ×ティーは紅茶の味がしっかりしていて美味しいですが、甘さが強め。レモンなど酸味の追加で飲みやすくなるかもしれません。また、“飲み応え”を出すためには、ゼリーとの一体感が鍵になります。エスプーマやクリームなどをトッピングして“とろみ”を加えると、映える見た目にもなります」
① シズル感の不足
「ドリンクの提供時にパフォーマンス性が加わるとより魅力的。例えば、お客さまの目の前でエスプーマを仕上げるなどの演出があると効果的です!」と助言がありました。

プロフェッショナルからアドバイスいただき、自分たちのプランをブラッシュアップすることができました!

エントリー商品はどれもよく考え抜かれており、ハイレベルな戦いとなりました!

果たして、どのチームが出店権を獲得したのでしょうか?
イベントは、25年8月30日(土)に、レコールバンタン校舎にて実施予定です。
是非、お誘いあわせのうえお越しください。
在学中から、飲食店開業のノウハウが得られるのも、レコールバンタンで学ぶアドバンテージです。
【レコールバンタン公式】 @lecolevantan
【レコールバンタン 専門部】@lecole_vantan
シズル感……五感を刺激して表現し、購買意欲を掻き立てる感覚
嚥下食……飲み込みが難しい人のために、食べやすさや飲み込みやすさを考慮して作られた食事






