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2025.12.12東京大阪
授業/特別講師/講演会
「カメラの基本的な使い方を覚えて帰ってください!」と、フォトグラファー・中村貴史講師。

レコールバンタンでは実践的な授業が豊富。
今回は、プロフェッショナルフォトグラファーで、バンタンデザイン研究所フォトグラフィ専攻でも授業を行う中村貴史講師に、ミラーレス一眼カメラで撮影する際のポイントをうかがいます!

受講するのは、カフェ&バリスタ専攻の在校生メンバー。
【1.「露出」の要素】

中村講師「写真を撮るときには、必ず『露出』が必要です。
露出とは何でしょうか?
ものすごく簡単に言うと、センサー(フィルム)に光をどれだけあてるかということです。
露出の要素は、シャッター速度、絞り、ISO感度+光量の組み合わせです。
・シャッター速度…… センサーに光を当てる「時間」
・絞り値…… レンズを通る光の「量」
・ISO感度…… 光を感じとる敏感さ
・光量…… 被写体にあたる光の量

【2.「シャッター速度」について】
中村講師「コーヒーを注ぐ瞬間を撮影したいのであれば シャッター速度は、(1/1000秒)など速い設定にしないとブレてしまいます。パスタにチーズを振りかけたり、ドリンクにパウダーをかけるときも同様です!
シャッター速度によって、被写体の動きを表現しやすくなります」
例えば、シャッタースピードが「速い」(例:1/1000秒)と、光の量が減り、暗く写りますが、動きを止められます。一方、シャッタースピードが「遅い」(例:1/15秒)と、光の量が増えるので明るくなりますが、被写体がブレる原因に。
【3.「絞り」について】
「絞りとは、レンズ内を通る光の筋の断片の面積です。『開放絞り』とは、レンズの絞りを最も開いた状態のことで、レンズごとに決まっています。同様に、『最小絞り』もレンズごとに決まっています」
カメラ内表記では、F22 → F16 ……… F1.4 → F1.0 と記載があります。
断面積は、小さい→ ……… →大きい、
ボケ具合は、あまりボケない→ ……… →ボケる となります。

【4.「ISO感度」&「撮影モード」について】
中村講師「ISO感度は、低感度はノイズが少なく、繊細な描写や光量の多い場所に向いています。対して高感度は、薄暗い場所や室内での撮影に向いています」
続いて、主な撮影モードについて。
「P(プログラムオート)モードは、カメラ内に設定されている露出基準で各露出が設定される。スナップ時など撮影に集中したいときに適しています。
S(シャッター速度優先オート)モードは、シャッター速度を最優先に決定し、その他露出をカメラが設定します。スポーツや動物など動きのある被写体向きです。
A(絞り優先オート)モードは、絞りを最優先に決定し、その他の露出をカメラが設定します。例えば自然風景や建築物など、固定された被写体向きです。そして、
M(マニュアル)モードは、露出をすべて撮影者が決めるモードです。露出を変化させたくないときやストロボ撮影など、極端に明るい・暗い場所での撮影に適しています」と、解説。
早速、一眼カメラを操作し撮影の練習をするメンバーたち。


「俺のことは撮らなくていいです!(笑)」と中村講師。「でも、細かく考えると写真が撮れなくなってしまうので、今回は絞り優先オートで撮影していく方法にします!」
【5.撮影したデータはメニュー用?イメージカット?SNS用?目的を考えて】
また、撮影で大切なのは写真を使う「用途」!
中村講師「目的によって、撮り方が変わってきます。写真はどのように使いますか。
メニュー表用なのか、イメージカットなのか、SNSなのか?
メニュー用なら、周りに過剰な演出があるとうるさい印象です。
でも、イメージカットだと小物が1つもないと寂しいですよね。SNSで文字を入れるなら、文字を入れる位置を作らなくてはいけない。だから構図を考えないと使えないよね。ヒキなのか、ヨリなのか?
小物を置くのなら、何を置くのか?
写真を見る人の年齢層や好みも考えられたらいいです」とアドバイス。「また、被写体が1商品だとしても、メニュー用、イメージカット、SNS掲載用とバリエーションを撮影しないと、使い回せないです。できるだけたくさん撮影してください」
【プロフォトグラファーによる作例:パスタ】



【6.実践してみよう!さまざまな被写体で「シズル感」を】
前半の講義を終えて、在校生メンバーも好きなフード、ドリンクで思い思いに撮影します。



パスタを撮影しているメンバーには、中村講師自らお箸で具材を盛りつけ直し「手前に具材がある方が華やかに見えます!」と、フードコーディネーター役を買って出ます。

また、「シズル感を出してみよう!」と中村講師。
メンバー「???」
「シズル感」とは、五感を刺激して食欲や購買意欲を高める表現のこと。ラーメンの麺を持ち上げたり、ホットコーヒーからたちのぼる湯気、お肉を切ったときの肉汁など、食欲や購買意欲を高める表現全般をさします。


また、「レフ板」と呼ばれる照明道具も使います。これは、白い紙でも代用可能!太陽光やストロボ光を反射させて、被写体への光の当たり方、影の出方を調整します。

授業を受けたメンバーの感想は……?
小松さん「シャッタースピードの設定方法など、基礎から知れたのが良かったです」
小林さん「本格的な物撮りの方法を学べて勉強になりました!コーヒーの表面に波紋が出る瞬間を収めたかったのですが、無事に撮影できました!」

家入さん「先週はスマホで撮影する授業を受けたのですが、一眼カメラの方がスマホよりも光の入り具合や画質がいいです!自分も1台一眼カメラを持っているのですが、『絞り』など、基礎を知らなかったので学べて良かったです」

講師との距離も近いので、わからないことは質問しやすい雰囲気。
基礎からしっかりと教えてもらうことで、在学中から実践的スキルを身につけます!
【講師PROFILE】
埼玉県生まれ。デザイン会社に就職したのち、写真に興味を持ち、バンタンデザイン研究所の写真学科で写真を学ぶ。専門校を卒業後、写真家 斎藤巧一郎氏に師事。人物・料理・スナップなど様々なジャンルを撮影している。高校生時代天文部に所属していたこともあり、星空を見上げては作品を撮影している。オリンパスカレッジでは2012年よりフォトチューターとして活動。著書に「今すぐ使えるかんたんmini OM SYSTEM OM-3 基本&応用 撮影ガイド(技術評論社)」などがある。






