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- 肉のカリスマ 岩崎健志郎シェフによる「低温調理」をつ ...
2023.01.15東京
授業/特別講師/講演会
「今日は、温菜と冷菜をつくります。どちらも低温調理した鶏ムネ肉をつかいます。
日々、口にする料理ですが、科学的につくるとブレが出ず、
大量につくるときも味が安定します」と話すのは、
都内で有名な焼肉店や大型フェスでの飲食ブースのプロデュースなど
肉のカリスマとして活躍されている岩崎健志郎シェフ。
「今回は、料理の肝となる『火入れ』をフィーチャーします。
低温調理法はここ10年で飛躍した調理法です。
低温調理法には2種類あり、スチームコンベクションをつかう方法、
次に真空パックを一定の温度帯にキープする方法です。
湯温は58℃に設定されていて、ゆっくりと深部まで火が入ります。
調理している最中にソースをつくったりもできますし、
この調理方法なら、安全に大量につくれるメリットがあります」
①中華風トマト薬味ポン酢ソースをつくる
1:
トマトの皮を湯むきします。
2:
中の種を取りのぞき、0.5mm角にダイスカットします。
3:
もう一種類のソースに使うため、ダイスカットしたトマトを1/3、2/3に分けます。
4:
1/3量のトマトに、みじん切りにした万能ネギ5g、長ネギ20g、ゴマ油5cc、柚子ポン酢30cc、潮州辣椒油(チョウシュウラー油)5ccを入れます。ラー油は食べるラー油でも代用可です。
②鶏モモ肉のソテー トマトソースをつくる
「ここで、人が美味しいと感じる塩分量をお教えします。それは100gに約1g。
この基本さえおさえておけば、
400gのステーキに対して4gの塩を計量すればいいと感覚的に分かります」
ちなみにシェフの二本指でつまむと約0.5g、
三本指でつまむと約1gの量になるそう。
「先ほどカットしたトマト2/3と鶏モモ肉1/2枚で、合計約150gです。
なので、150gの料理に対して必要になる塩分量は……?1.5gですね。
ソースに0.75g、鶏モモ肉にふる分を0.75gとします」と、論理的に塩分量を調整。
フレッシュトマトダイスカット2/3に、乾燥バジルみじん切り、
塩、胡椒、オリーブオイル(各適量)をあえればソテー用トマトソースのできあがり!
③鶏モモ肉をソテーする
「低温調理法の欠点は何だと思いますか?
それは……皮目に焼き目がつかないことです。
そこで、フライパンをつかって鶏肉の皮目に焼き目をつくります。
油を多めにつかい、揚げ焼きにしていきます」
焼く前に、2本指で塩をつまみ、こしょうをふります。フライパンに油をひき、火を入れていきます。
「調味料を溶かし込んで、鶏モモ肉にしみ込ませるようなイメージで焼きます」
フライパンは、奥に傾けるようにすることで油が飛びはねづらくなるとのアドバイスも。
こうして、「鶏モモ肉のソテー」&「鶏ムネ肉の冷菜 中華風トマト薬味ポン酢」が完成。
「普段あまり料理はしない……」という人も、カンタンに完成度を高められる低温調理法。
「ソースは魚のソテーにも合いそうだと思います。家でアレンジしたいです」と、それぞれが学びを得ていました。
――― 飲食業界に入ったキッカケは?
「18歳から料理人をしています。
親がフレンチなのでフレンチレストランに入りましたが水が合わず2年で中華料理店に転職し、
20歳から30歳まで働きました。日本で飲食店をやりたいと思ったときに、
魚か肉の仕入れルートを持っていると商売がやりやすいと思いました。
西麻布『牛牛』で総合ブランディングを担当し、
『麻布十番 赤身焼肉 ブルズ』では店舗運営を確立しました。
現在は、家電のプロデュース、カラオケ店で提供する料理監修、
マーケティングなども行っています」
――― 最後に・・・
「皆様と一緒に調理できてよかったです。
親が料理人だったので、料理の『り』は利益の『り』だと学びました。
家庭料理ではなく、お客さまに料理を提供してお金をいただくのだから、
経営や原価計算を学び、発信できる料理をつくってください。
僕自身も『俺の料理すげーだろ?』という時期が、正直ありました。
そのときは、お客さんの顔を見ていなかったと思います。
そうではなく、大事なことはお客さまを笑顔にする料理だと理解してください。
まずは人の技術を見て、習得しましょう。レコールバンタンで基礎を学んでください。
基礎ができ、アレンジしていくと仕事が早くできます。
日々大変なこともありますが、お客さまを笑顔にできるような仕事をしてください」
とエールを下さいました。