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2018.12.17東京
授業/特別講師/講演会
「ジャージー牛乳って、とっても濃いんです。これでラテを作ると、一口目はおいしいかもしれないけれど、飲んでいるうちに重たくなる。カップサイズが大きければ、お客さまは半分も飲みきれないと思います」と話すのは篠崎講師。
篠崎講師は『エノテカバール プリモディーネ』含め3店舗のオーナーバリスタであり、日本バリスタ協会(JBA)で技術研究委員長も務める、コーヒーのプロフェッショナル!
▼日本バリスタ協会(JBA)
http://www.jba-barista.org/index.html
今回は、カフェ・調理学部の授業『牛乳飲み比べ・アイスカフェラテ』の授業で、コーヒーと切っても切れないミルクについて徹底的に学びます!
<牛乳の種類について>
普段なにげなく飲んでいる牛乳ですが、実は4種類もあります。
成分無調整牛乳…… 加熱殺菌のみを行ったもので、乳脂肪分3%以上、無脂乳固形分8%以上のもの。
成分調整牛乳……生乳から成分を薄くしたり、濃くする調整をおこなったもの。
低脂肪牛乳……成分調整牛乳のうち、乳脂肪分0.5%以上1.5%以下のもの。
無脂肪牛乳……成分調整牛乳のうち、乳脂肪分を0.5%未満にしたもの。
また、殺菌方法によっても味わいは大きく異なります。
<牛乳の殺菌について>
無殺菌…… 殺菌処理を行っていない。
低温殺菌…… 63℃〜65℃で30分殺菌。
高温時短殺菌…… 約72℃で15秒殺菌。
高温瞬感殺菌…… 120℃〜130 ℃で、1〜3秒殺菌。
ロングライフ…… 130℃〜150℃で、2〜20秒滅菌。
殺菌をしっかりするにつれて、賞味期限は長くなりますが、その分だけ臭くなるそう。
篠崎講師 「なぜ、臭くなるのでしょうか?
それは、70℃ちかい温度で殺菌するので、牛乳の中に含まれているたんぱく質がこげてしまうから。学校でロングライフ牛乳が出て、牛乳が苦手になってしまう人もいますね」
また、最近アメリカ西海岸で人気があるのが、アーモンドミルクやライスミルクといった植物性ミルク。
篠崎講師 「店によっては、ピスタチオミルクを選べるところもあります。健康志向もあって、お客さんがミルクから選べるようになってきています」
さっそく、さまざまなミルクを飲み比べ!
エスプレッソカップに注いで、香りをかぎ、口に含みます。
「アーモンドミルク、うまい!」
「低温殺菌牛乳が飲みやすい。殺菌温度が低いので、たんぱく質がこげた匂いが少ないです」
次は、カプチーノとアイスラテを淹れて試飲。
「ジャージー牛乳のカプチーノは、一杯は飲めないな(汗)」
「アイスラテには、低温殺菌の牛乳が合うね」
と、味の違いを研究します。
<では、自分のお店では何を基準に選ぶ?>
篠崎講師 「低温殺菌はおいしいけれど、残念ながら日持ちがしないんだよね。3日以内に使い切らなくてはいけないので、ロスになるリスクが高いです。
一般的に、牛乳屋さんも個人店には毎日配達に来くれません。週2回くらいが目安ですね。なので、3〜4日分の売上げを予測して発注しなくてはなりません。僕も、駒沢で店を始めたときは、近所のスーパーで低温殺菌牛乳を購入していましたね」
学生たちも、真剣にメモを取ります。
篠崎講師 「そこで大事になるのが、オーナーの嗜好。自分の出身県の牧場の牛乳を使う、というのも立派な意味づけになります。
自分たちで、店を始めるときは、飲み終えたときの満足度や味だけではなく、選ぶ理由や、コスト面もしっかり考えて選んでください」とアドバイス!
これだけの数のミルクをテイスティングできるのは、とても貴重なこと。
ぜひ、それぞれの特徴を覚えて、今後のメニュー開発に活かしていってください!