「侍キュイジニエ」大野尚斗シェフ特別授業。骨伝導で火入れするサーロインなどユニークな料理から「創作」のヒントを得る

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2023.02.06東京

授業/特別講師/講演会

 

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「『骨伝導』という方法で焼いていきます。骨と脂に加熱していく方法で、

肉が縮みにくく、肉汁が出にくい調理法です」と、ユニークな火入れを披露するのが、本日の講師

 

 

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BSフジ・単独ドキュメンタリー「旅する侍キュイジニエ」で特集された、大野尚斗(@chef.naoto_ohno)シェフ

 

2013年 The Culinary Institute of America 卒業後、2014年2月~2015年4月までシカゴ「Alinea」に勤務し部門シェフを務め、2015年に帰国。その後、国内数店舗で研修し、包丁1本持ちヨーロッパをバックパッカーとしてヨーロッパを巡り、2019年からスウェーデン「Fäviken」、ペルー「Central」、など、各国の名店で研鑽を積まれました。大野シェフが調理するのは、コンフィした豚バラのスモーガスボード(オープンサンドイッチ)、骨伝導で仕上げた熟成肉のサーロインステーキ、そして熟成肉の一部を使った肉のサラダです

 

<良いシェフになるためには?>

 

 

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「とにかく食べ歩きをするといいと思います。僕自身も稼いだお金は食べ歩きに費やしていて、1年に300~400軒は訪れています。

美味しいものを食べたいから料理人になったといっても過言ではありません」と大野シェフ。キャリアについてうかがうと……

 

「CIA在学中からミシュラン一つ星の『The NoMad』で、ガルドマンジェ(野菜)とポワソン(魚)部門シェフとして働いていました。

卒業制作では、一般の人が食べにくるレストランを運営しました。

幾つかジャンルがあり、僕はガストロノミーを選びました。

学生時代、僕は宿題などをしないタイプだったので、厳しくてキツい環境に身をおいたほうが効率的に成長できると思い、

一番キツいとされるレストランで働こうと思いました」

 

それが、シカゴ「Alinea」(「ミシュラン三つ星」在籍時、「世界のベストレストラン50」世界9位)。

「ターニングポイントでした。客席は90席、当時はコースで35品という凄まじい量を出していました。

スタッフがどんどん辞めてしまいましたが、勤務時間も長くハードでしたが、先輩スタッフが抜けたらチャンスだと思っていました」

また、“どの店で働くか”よりも、その店で“何をしてきたか”が重要だと説きます。

「有名店には、たくさんのインターン生が働いています

なので、聞くと調理を任されていなかったという人も多い。その店で、どういった仕事を任されていたのかが重要です」

 

<メンバーの主体性を尊重し、「創作料理」をオーダー>

 

レコールバンタンの通常授業では、シェフの調理デモンストレーションを見た後に、

在校生が、シェフのレシピを再現し、実践的な技術を習得します。

今回は、食材だけを指定してメンバーに自由に調理をさせるカリキュラム

 

大野シェフ「料理のジャンルは問いません。自分がこれから極めていきたい分野を選んでください。

食材は、キノコです。エリンギでもシイタケでもいいです。また、牛モモ肉を使ってもいいですよ

早めに調理が終わった人は、僕の仕込みを手伝いにきてください

自分の仕込みをしながら他の人の仕事を学ぶのは、現場でも同じです」

大野シェフが持参した食材は……キヌア(複数)、マカンボ(カカオの一種)、チューニョ(乾燥させたジャガイモ)

など、あまりなじみのない新しい食材も

 

 

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これらも、自由に創作料理に使用することができます!制限時間は約1時間

 

 

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<料理を評価する基準は?>

 

ここで気になるのが、料理の評価基準

 

――― 評価の基準は「美味しさ」でしょうか?

「単に美味しいものを作るだけなら、カフェや居酒屋でも事足りますよね

なぜそれを作ったのか、物語を語れるかどうかが大切だと思います

例えば、滋賀『SOWER(ソウアー)』や京都『LURRA°(ルーラ)』は、どちらもnoma出身のシェフが手掛けていますが、コンセプトが秀逸です。

自信を持って、自分の料理を語ってほしいですね」と期待を寄せます

早速、メンバーの調理を見ていきましょう。尾山さんは、「紫芋とキノコを使ったグラタン」を作ることに。

「紫芋を使ったことがないので、どのような色合いになるかが分かりません。

グラタンは何度か作ったことがありますし、味は間違いないと思います」と調理を進めていきます

 

 

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シェフからのアドバイスを受け、キノコのプリンに挑戦する石川さんは「プリンというレシピがあるからアレンジできていますが、

これを0からクリエイションする“創作料理”となると、とても難しいことだと分かります」

小山さんは、シンプルに牛肉に火を入れていきます。まずはフライパンで表面に焼き目をつけてから、オーブンへ

「キノコは、ピューレにしてソースにしようと思います」

中山さんはハンバーグを仕込んでいます。みじん切りのタマネギの代わりに、エリンギを使ったキノコのハンバーグを提案します

 

 

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調理を終えて、メンバーの作った料理がズラリと並びました。

 

 

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また、骨伝導で仕上げる熟成肉も、仕上がり間近。

 

 

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金子さん「レンコンとしいたけのバルサミコ炒めと、キノコのタルトの2品を作りました。

 

 

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あえて自由に調理することで、基礎が重要だと分かりました。もっと知識を増やしていきたいです」と、一人ひとりプレゼンテーションを行います。

 

 

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「フレンチをやりたいと思っているので、この料理を作りました

帆立の上にシイタケをのせ、パンプキンピューレを添えています」と、西尾さん

大野シェフ「料理は美味しそうですし、面白いことに挑戦しているメンバーもいます。

でも、プレゼンテーションでは『なぜこのメニューを作ったのか』を、もっと自信を持って説明して欲しいですね

サービススタッフやシェフが、お客さまに説明するときと同じ熱量で語れると良かったです」と、フィードバックしました

 

 

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そして、大野シェフのお料理も出来上がり!

 

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見た目も美しく、メンバーの言葉を借りれば「これまでに食べたことない味の組み合わせ。でも素晴らしく美味しい」とのこと!

 

 

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各国の一流のキッチンで働いてきた大野シェフの視点はインターナショナルなのはもちろん

、料理人としての技術・発想力など、学ぶエッセンスが多かったのではないでしょうか。

 

 

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在学中から、業界で活躍する「ロールモデル」シェフから指導を受けられるのも、レコールバンタンで学ぶ魅力です。

 

 

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