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- <ウィンターセミナー>贅沢体験!「Zabutonモン ...
2024.02.25東京
イベント授業/特別講師/講演会
「Mont Blanc Noir(モンブラン ノワール)」別名「Zabutonモンブラン」!
きっと、ご存じの人も多いはず!この芸術的なスイーツを生み出したのが、
大阪「Masahiko Ozumi Paris」オーナーパティシエ小住匡彦(おずみ・まさひこ)講師
23年10月5日には、阪急うめだ本店に2号店をオープンするなど、気鋭のパティシエです。
今回は、24年2月25日(日)に実施された小住講師によるウィンターセミナーをレポートします!
- 小住匡彦講師は、なぜパティシエに?>
「『Masahiko Ozumi Paris』オーナーパティシエ小住匡彦です。僕の自己紹介をさせていただきます。
中高大とサッカーに打ち込んでいて、大学では建築を勉強していました。22歳で、サッカー選手を志し単身渡仏しました。
フランスでは、アルバイト先に選んだのがパティスリーでした。渡仏するとき、
『サッカーで通用するの?』『向こうで何ができるの?』と周りに大反対されていたので、『パティシエとしては、絶対に一人前になってやる!』
と固く誓いケーキを1から学びました
フランスには7年ほどいて、3年ほど前に帰ってきました。短い時間ですが、ケーキ作りを楽しんでもらえたらと思います」とメッセージ!
ウィンターセミナーでは、「ミルフィーユモンブラン」の調理体験を行います!
まずは、「Masahiko Ozumi Paris」パティシエ原田講師のデモンストレーションから
原田講師「カードを使って細かく刻むイメージです。粉は、冷凍庫に入れてしっかり冷えた状態です。
薄力粉と強力粉を合わせている理由は何だと思いますか?
薄力粉だけだと、ちぎれやすいので、サクサクホロホロの食感を出すために2種類の粉を使います」
- バターと粉を合わせたら、牛乳と水を入れる。さらに塩を入れ、全体を混ぜる。
原田講師「冷蔵庫で1-2時間ねかせたら生地でバターを包み、
三つ折りを繰り返します。コの字の型を使って、200℃で30分から40分焼いていきます」
原田講師「一般的なレシピでは、薄力粉を使うことが多いです。
コーンスターチでたくことで、口どけの良いクリームになります!」とアドバイス
- マスゼラチンとバターを入れ、ブレンダーを使ってなめらかな口当たりに仕上げる。
原田講師「専門校で基礎を学ぶことは、とても大切です。自分を高めるキッカケになります。
また、基礎をしっかりと学ぶことで、一見すると“似たような”ルセットからも、シェフがこだわっていることを読み取ることができます」
原田講師「中にいちごのコンフィチュールとカスタードクリームが入ります!」
カスタードクリームの上に、さらにマロンクリームを絞り、イチゴを飾ればできあがり!
お好みで粉糖をかけても◎
< 受講生も、調理します!>
レコールバンタンでは、講師のデモンストレーションを見て工程とポイントを学んだ後、調理に取り掛かります。
デモを見てから調理を行うことで、実践的な技術を習得します。
調理初心者でも、心配はいりません!
レコールバンタン生が、各テーブルに1名ついてくれるので、質問もしやすいです!
そして、いよいよお待ちかねの……
<「Zabutonモンブラン」を仕上げる!>
小住講師「『Zabutonモンブラン』の仕上げをしていきます。
正式名称は『Mont Blanc Noir(モンブラン ノワール)』です。
まず、チョコレートムースに、熱々のチョコレートソースをかけます」
土台に接着をしたいので、マロンクリームを絞ります。そして、爪楊枝で球体状のチョコレートムースを刺し、土台のパーツにのせます
金箔、「Masahiko Ozumi Paris」のピックを添えてできあがり!
そして、(右から順に)カバン型の「チーズケーキ パリ」、
マスカルポーネの風味とイチゴのソースが絶妙な「シュシュローズ」、そして「ミトン パリ」もお披露目されました
<試食&小住講師に質問タイム!>
セミナーもいよいよ終盤。
最後は、受講生が調理した「ミルフィーユモンブラン」を試食しながら、小住講師にインタビュー
――― 「Zabutonモンブラン」が誕生したキッカケを教えてください。
小住講師(以下同)「フランスにいたのですが、27歳のとき、コロナ禍になり観光客が激減し時間ができました。
そんな中で、世界的な製菓専門誌『so good..』に挑戦しないかというお話をいただき、帰国しました。
日本のパティシエが、一年間にひとりかふたりしか掲載されない雑誌です。
テーマは『日本のものを世界に』で、何か変わった形でプレゼンテーションできないか?と考えました。
ヒントを得たのはgelato pique。ルームウェアの形自体は一般的だけれど、
一目でそれだと分かるのは、モコモコの素材を使っているからだ!と気づいたんです。
『Masahiko Ozumi Paris』では、テクスチャーにものすごくこだわっています。
『so good..』にも掲載され、そのユニークさが武器となって百貨店でも人気を得ていると感じます」
――― 「Mont Blanc Noir(モンブラン ノワール)」の表面の仕組みは?
「建築ではCAD(キャド)というソフトで設計図を書きますが、それを応用してプラスチックの型から作っています。
CADを使えるパティシエ、というのが僕しかいないのでマネされていないのだと思います。
日本で僕しか作れないと思いますし、これまでに学んだことは絶対に自分に返ってきます!」
――― 小住講師にとってのターニングポイントは?
「フランスでは10店舗ほどのパティスリーで働きました。特に印象に残っているのは、
食べ歩きで『いちばん美味しい』と感じた『ラクロワ』。
小さなお店でしたが、シェフが作るケーキが大好きだったので頼み込んで働かせてもらうことに。
朝早くから夜遅くまで毎日休みなく働きました。結果、シェフにはめっちゃ気に入られたんですが、
同僚のフランス人から反感を買い『彼ばかりに教えるのなら、他のスタッフは全員辞める』と言われて。
僕は唯一のアジア人でしたし、同僚が辞めたら店がまわらなくなります。
シェフに迷惑をかけたくないと思い、退職して日本に戻ろうと考えました。
翌日、早朝に店に挨拶に行くと、シェフが内装の工事をしていたんです。
何をしているのかたずねると『お前に、店の半分をあげる』と。
『なぜ、辞めるんだ?私が洋菓子業界で貢献できるのは、お前を立派なパティシエにすることだ。辞めると言った彼らは、辞めればいい』と。
この人を裏切るわけにはいかない、立派な人間になろうと決めました。
それからは、シェフが接客をして、自分がほとんどのスイーツを作る日々でした。最初はキツかったです。
でも、あるとき、シェフが2週間のバカンスへ行ったんです。
シェフ不在の中、フランス語でも英語でも接客し、
クレーム対応をし、銀行に行き……あらゆることに対応して10日経ったときは『どこでも働ける!』という自信を得ました」
――― 現在の目標は?
「パリ店をオープンしたいですね。フランスでも、僕が作るお菓子を食べてほしいです。
目の前で食べてもらう『デセール』も提供したい。そして、日本人初のミシュラン・パティシエを目標に頑張っています!」
最後に……「ケーキを食べる時間って、幸せですよね!?
イヤなことがあっても忘れられるし、魔法の食べ物だと思っています。それを作るパティシエも、すごい仕事だと思います。
どんなに忙しくても、お客さんが笑顔になってくれたら幸せですし、僕にとっての天職です。
ケーキを通じて、いろいろな人に出会えます。皆さんも、一人前のパティシエを目指して、頑張ってください!」と締めくくりました。
レコールバンタンでは、業界で活躍するトップシェフを招いての授業を行っています。
時代に即した実践的なカリキュラムで、就職・独立が叶う技術力を身につけます!
<CHEF PROFILE>
関西大学建築学科卒業後、22才で単身渡仏。
パリのソルボンヌ大学、ロンドンのゴルターズグリーンガレッジでフランス語、英語を取得。
パリのル・ゴルドン・ブルー、ベルエ・コンセイユで洋菓子を勉強し、パリ市内の有名パティスリー、ショコラトリーを経て、
26才でベストオブパリ受賞のParis「A Lacroix patisserie」でスーシェフを経験する。
その後、弱冠28才でParisの五つ星「palece hotel」でスーシェフを任せられる。
日本に帰国後は、大阪に3件のブティックを持つ「Kent house plus」の2代目シェフ就任中に、
セカンドブランドとして「Masahiko Ozumi Paris」を立ち上げる。
2019年、2021年に阪急百貨店うめだ本店で開催された「阪急ケーキショー」、
2021年、2022年の「チョコレート博覧会」に出店し、「Zabutonモンブラン」に注目が集まる。
翌2023年 阪急うめだ本店に2号店をオープン。