『価値を売る』サービスとは?日本を代表するメートル・ドテル宮崎 辰講師の特別授業

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2019.01.07東京

授業/特別講師/講演会

おもてなしとサービスの違いは何でしょう?

飲食業界に従事するプロでも、突然こんな質問されたら答えに窮するのではないでしょうか。

 

「サービスとおもてなしは、似て非なるもの。おもてなしは利益をうみません。対して、サービスは利益をうむものです。気分よくお金を払っていただくためには、サービスとおもてなしを上手に組み合わせて、お店のリピーターになっていただくことが重要です」と、話すのは日本を代表するメートル・ドテル宮崎 辰講師

 

前回に続いて、『サービスの価値を売る。想像力、技術力を高めるための授業』をレポートします!

 

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<気遣いが差をうむ。世界コンクールの舞台裏とは>

そもそも、宮崎講師が世界コンクールである”第12回メートルドセルヴィス杯”に初出場したのは29歳のとき。

その後、第13回大会では3位に、第14回大会メートルドセルヴィス杯では優勝を飾ります。また『クープ・ジョルジュ・バティスト』サービス世界コンクール東京大会でも見事優勝を果たします。

 

今回は、貴重な世界コンクールの動画をチェックしつつ、宮崎講師が解説をしてくれます。

 

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世界コンクールでは、テーブルセッティング、オーダーテイク、前菜、魚、肉、デセール、ワイン、カクテル、アイリッシュウィスキーの9項目が審査されます。

 

宮崎講師 「例えば、鉄板焼き店でおいしそうな牛肉を目の前で焼いてもらうと、早く食べたい!と食欲をそそられますね。私たちの仕事も同じです。その人のためにオートクチュールで、視覚的にも、嗅覚にも心地のいいものを提供することが求められます」

 

大会のテーブルセッティングのテーマはクリスマス。50代後半のご夫婦でご来店されるという設定のもと、お花を生けます。

「バラをメインに落ち着いたイメージで装花しました」と、宮崎講師。

 

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想像力をフルに働かせることも重要な鍵となります。また、魚がテーマの競技でも、宮崎講師は審査員にある心遣いを。

 

宮崎講師 「審査員は出場者16人のサーモンを食べ続けるので、酸味がないと味がボヤけて印象に残りません。そこで、レモンを通常量の2倍しぼることで、サーモンの味にメリハリをつけました」

 

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ショートカクテルとロングカクテルを2杯ずつ作る『カクテル』では、120mlでのレシピを覚えていたものの、カクテルグラスに90mlしか入らないことが判明。

急遽、頭の中でレシピの分量を変えて対応したそう。もちろん、ここでも振る舞いは冷静沈着に。

 

宮崎講師 「プロとして目の前に立つからには、佇まいも見られています」

 

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<世界コンクールに優勝するために必要なことは?>

1.ひたすら練習

「まずは、練習です。目的をもってやらないとあまり成長しません。」

2.普段の仕事の延長

「基礎を極めてこそ、応用ができます。掃除など綺麗な仕事は日々の仕事から。想定外のことが起こっても対応ができるようになります」

3.メンタルとフィジカル

「精神と体力的な疲れを、しっかりとコントロールするのも必要なことです」

4.勝った自分をイメージする

「夢を叶えるために夢をみること。意識がないと勝つことはできません」

5.絶対に諦めない 

「誰も助けてくれません。ミスは起こるもので、自分自身が最後の砦です。先生自身も大会でミスがありましたが、気持ちを切り替えて次の課題に取り組みました。諦めず、ポジティブに考えて」と力を込めます。

 

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<宮崎講師の思考方法>

宮崎講師 「私は、五感をフルに使って『もしからしたら○○かもしれない(断定ではなく妄想)』で考えるようにしています。例えば、男女でいらしていてもご夫婦でなかったりする。

もしかしたら、こうかも?と、ゲストに歩みよるんです。例えば、早い段階から予約をされている方なら、この日をすごく楽しみにされていたかもしれない。前日の予約ならラフな感じなのもしれない、と想像して」

 

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締めくくりには、フルーツカッティングの技術を披露。

学生たちも、プロセスそのものやカッティング中に漂う香りまでもが『付加価値』なんだということを目の当たりにしました。

 

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次回からは、グループワークに入ります!

 

宮崎講師 「お客さまに最高のサービスを提供するため、商品、空間、価格(原価)を考えてみましょう」

 

まずは、店名について。そして、コンセプトについて。(ターゲットの客層、制服、空間、商品、接客スタイルは?)さらに、迎え入れ、テーブルへのご案内、商品の説明(メニュー提供)、ドリンク提供、料理提供、会計、お見送り(挨拶)までを、実際に流れで行います。

「どうすれば、自分たちの商品とサービスのリピーターになっていただけるかを考えてください」と、期待を込めました!

 

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学生たちはグループごとに分かれて、コンセプトメイキングから技術までを考えます。

サービスの本質と向き合う、絶好の機会になりそうです!

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