知っておきたい「焼酎・泡盛」の基礎とは?bar nocturne「夜想曲」オーナーバーテンダー引屋敷講師の授業レポート!【レコールバンタンブログ】

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2021.07.22東京

授業/特別講師/講演会

bar nocturne「夜想曲」オーナーバーテンダー引屋敷講師による「焼酎・泡盛」授業をレポートします

 

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――なぜ、焼酎・泡盛について学ぶのか?

それは食材への理解を深めることで、お客さまへの提案やメニューの付加価値を高めるため

前半はオリジナル資料を参考に講義を受け、後半は焼酎・泡盛のテイスティング&カクテルを作り理解を深めていきます。

 

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<焼酎の起源と歴史>

引屋敷講師「蒸留酒は13世紀から14世紀頃には中国大陸などで製造されていたようです。

1477年に書かれた朝鮮王朝の公式文章『李朝実録』には朝鮮の済州島民が琉球に漂着し那覇で南蛮酒を見たと記されています。

焼酎の起源は諸説ありますが、知っておいてほしいルーツは3つです」

 

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  • ①沖縄ルート説……14世紀後半から15世紀頃に、タイから琉球(沖縄)が南蛮酒を輸入したのが泡盛の起源という説
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  • ②南海諸国ルート説……倭寇(わこう)と呼ばれた日本の武装商船団が、海上取引の品物のひとつとして持ち帰った。その際に南蛮酒が伝播した説。
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  • ③朝鮮半島ルート説……15世紀、日本は朝鮮や西洋諸国とも活発に交易を行っていた。朝鮮産の「高麗(コウリャン)酒」が朝鮮から長崎県対馬島、
  • 長崎県壱岐島を経て日本に入ってきたという説。
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<焼酎は、製造方法によって呼び名が異なる>

引屋敷講師「焼酎は製造方法によって甲類と乙類とに分けられます。

連続式蒸留機で蒸留したものを『連続式蒸留焼酎』、または『甲類』と呼びます。連続式蒸留機で蒸留を行なうことで、ピュアでクセのない味わいになります。

一方、単式蒸機機で作られた焼酎を『単式蒸留焼酎』または『乙類』と呼びます。蒸留の仕組みがシンプルなため、原料独特の風味や味わいが楽しめます。

単式蒸留焼酎の中でも、さらに醪取(もとみとり)焼酎、粕取焼酎に分けられます。大抵は醪取焼酎で、粕取焼酎は主に酒粕が原料になっています」

 

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<本格焼酎の材料とは?>

「焼酎に使うことができる材料は、国税庁に指定された53種類のみなんです。

これまでの授業で世界のさまざまなスピリッツを学んできましたが、主原料に麹が入っているものは他にありません。

麹菌が入っているのは焼酎、泡盛の特徴!とてもユニークですよね」と強調します。

 

ちなみに、53種類の材料とは……米、芋、麦、黒糖、麹菌(黒、白、黄)、酵母、水など代表的なものをはじめ、

あしたば、あずき、アロエ、じゃがいも、クリ、ごま、かぼちゃ、緑茶、大根、しそ、わかめ……など、これでもまだ一部。

実に幅広い食材から焼酎を作ることができるんですね

 

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「興味がある人は、道の駅などでローカル焼酎を探してみてください。その土地の名産品で作られていることが多いですよ」とアドバイスします

 

<焼酎造りのまとめ>

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「本格焼酎は、主原料×麹原料×麹菌×蒸留の組み合わせで仕上がりが決まります。

主原料は、サツマイモ、麦、米、黒糖、そばなど。麴原料とは米、麦、サツマイモなど、麹菌は、黒、白、黄があり、蒸留は常圧、微減圧、減圧があります」

 

<酒器選びで、趣も変わる>

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「酒器によっても、趣が変わります。お酒の旨みを感じやすいのは、口が広く底が浅い盃型です。

旨みを柔らかに受け止め、まろやかに感じやすいのは土物、カットの繊細や美しさを愛でる切子など、酒の特徴や目的に合わせて酒器を選びまししょう」

沖縄の「琉球ガラス」「カラカラ」、石垣島の「教訓茶碗」、鹿児島の「薩摩切子」「お湯割りグラス」「そらきゅう」、熊本の「がら」「ちょく」などを

シーンによって使い分けるとお酒の楽しさが倍増

 

<ここで!8種類の本格焼酎をテイスティング!>

 

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知識をインプットしたら、五感でも泡盛・焼酎を理解します

米焼酎「白岳 しろ」、泡盛「残泡/ホワイト」、麦焼酎「二階堂」、黒糖焼酎「喜界島」、

芋焼酎「佐藤」、芋焼酎「富乃宝山」、芋焼酎「枕崎/荒濾過」、芋焼酎「爆弾ハナタレ」の8種類を飲み比べます!

 

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引屋敷講師「お酒が得意じゃない人は無理しないで!焼酎1:水1で割って味見してもいいです」と声をかけます。

 

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まずは、香りを嗅いで…

 

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口に含み、味わいの余韻も感じます。

 

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安達くんは「『しろ』は王道という印象。『富乃宝山』は口当たりもソフトで香りもいい。

いつも飲んでいるのは『いいちこ』です。麦焼酎は、コスパがいいんですよ」と話します。

お酒が好きなようで、試飲中は終始笑顔でした。

本山さんは「なめた感じでは、富乃宝山がいちばん飲みやすい印象です」とコメント。

クラスでは、特に富乃宝山が人気でした!

 

<焼酎カクテルを作る。「舞乙女」2021ver>

引屋敷講師「今から作るのは、日本バーメンズ協会全国カクテルコンクールの優勝作品。

春を待つ乙女をイメージして作られたカクテル『舞乙女』です。これを現代風にアレンジしてみました」

 

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<レシピ>

  • ・紅乙女ゴールド(胡麻焼酎)……20mL
  • ・クレーム・ド・フランボワーズ(キイチゴのリキュール)……15mL
  • ・コアントロー……10mL
  • ・グレナデンシロップ……10mL
  • ・フレッシュレモンジュース……10mL
  • ・フランボワーズ……3粒
  • ・クラッシュアイス……100cc程度

 

焼酎、クレーム・ド・フランボワーズ、コアントロー、フレッシュレモンジュース、グレナデンシロップをメジャーカップで測りながら、クラッシュアイスと一緒にシェイク。

カクテル・グラス(容量75ml〜90ml程度)に注ぎ、食用花やフランボワーズ(レシピ外)を飾れば、完成!

 

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「うまーい!!」「焼酎って感じがしないね」「フルーティで飲みやすい!」と、大好評

早速、学生たちもカクテルを作ります

 

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もう1品、アメリカ生まれのマルガリータをツイストした「ちゅらガリータ」というカクテルも作りました

 

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焼酎に関する知識はもちろん、実践的なドリンク制作までトータルで習得することができました

おうち時間を活用して、舞乙女をアレンジしたり、オリジナルカクテルを作ったり、焼酎と泡盛を研究してみては

 

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