<WORLD BREWERS CUP 2016>世界チャンピオン粕谷 哲氏の講演会!大会で評価されるために重要なポイントとは?

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2020.03.09東京

イベント

コーヒー抽出の世界最高峰の大会<WORLD BREWERS CUP 2016>で、アジア初の世界チャンピオンに輝いたバリスタ 粕谷 哲講師をお招きしました。

フィロコフィア取締役でもあり、ハリオ、ネスレといった一流企業とも契約。

また近年では、エチオピアやラオスの農園支援にも力を入れています。

 

粕谷講師 「コーヒー業界には2013年に入りました。2020年7月で7年なので、日は浅いです。前職はITコンサルタントをしていましたが、突然1型糖尿病を発症し、いつ死んでもいい生き方をしようと思ったんです。コーヒーは糖質を含まないので飲むようになったんですが、初めて淹れたコーヒーがめちゃくちゃマズくって(笑)それから学ぼうと思ったんです」

 

2015年<ジャパンエアロプレスチャンピオンシップ>優勝。

更に、<WORLD BREWERS CUP 2016>での優勝を機に、様々な仕事依頼が舞い込むように。

 

粕谷講師 「3年目くらいまではそうした仕事を受けて、4年目頃からはコーチとしても活動するように。オーストラリアやインドネシアなど各国に行きバリスタたちに指導しています」

 

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<エチオピアの農園を訪れたときのこと>

粕谷講師 「コーヒーの世界で、エチオピアは切っても切り離せない国です。本気でコーヒーで食べていくつもりなら、コーヒーが栽培されている現地に行くことをオススメします。

エチオピアの農園からは単に豆を買うのではなく、ウチの店のロゴをつけて付加価値を付けて販売する予定です。高く売れたら、売上げの一部を彼らの環境改善に役立ててもらいます。こうした活動をするうえで、自分で店を持つことは必須だと感じます。写真は、ウチのウォッシングステーション(水洗場)です」

 

農園では完熟したコーヒーチェリーを収穫し、本当に熟したものだけをピック。

ウォッシングステーションに持ち込み、新鮮な間に外皮と果肉を除去して、水洗いの工程に入ります。

また、農園の人たちがコーヒーを淹れて歓迎してくれた『コーヒーセレモニー』の写真も。リアルな風景を見て、学生たちの好奇心が刺激されます。

 

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——————— コーヒーチェリーの味は?

「実は味がないけれど、美味しいです。サクランボの果肉がないバージョンと考えてください。品種や育つ環境によって味は違いますが、中でも高品質のゲイシャは甘さが違いますね」

——————— スペシャリティコーヒーが人気になり、農園は少し潤うようになったのでは?

「以前よりもエチオピアの公道は綺麗になったという人もいますが、個人的には農園の人たちが裕福になったという感じはしません。電気、ガスがないのは当たり前で、川で服を洗ったりしています」と説明し、

「ただし数字で測れるものだけで測らない方がいい。絶対に上がいるし、絶対に下がいる。何よりも、その基準から抜けられなくなります」と力を込めます。

 

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<PHILOCOFFEAのこと>

——————— なぜ、船橋でお店を開いたのですか?

「協同経営する人が、船橋のコーヒーショップのオーナーだったから。日本で唯一、チェーン店でありながらハンドドリップを提供している店です。個人的に船橋に思い入れがあった訳ではないけれど、色々な可能性がある中で一番楽しそうだなって思えたので決めました。もちろん、船橋の人口推移や駅の乗降客数も見ましたよ。日本でもトップ15に入るほど、人口も多い。僕たちは船橋コーヒータウン化計画を立てていて、その旗艦店という位置づけです。船橋のサザコーヒーのような存在になりたいですね」

 

——————— 経営者として、どのように社員のモチベーションを高めていますか。

「スペシャリティコーヒーを出す店、ではなくスペシャルなコーヒー体験を提供すべきだと伝えています。フィロコフィアはベンチャー企業でありコーヒーカンパニーです。僕らの掲げるミッションが高いところにあり、それを理解してもらうことが大切だと思います」

 

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<WORLD BREWERS CUPへの準備>

——————— 大会で一位になられた秘訣は?また、味作りで意識していることを教えてください。

「どういうものが評価されるかを知ること。大会にはスコアシートが用意されていて、それを満たした者の順位が高くなります。そのルール&レギュレーションにそったものを作ることを大事にしていますね。あとは極論を言えば、美味しいコーヒーはお客さんが美味しいと思うもの。その能力を競っているのが大会です。世界基準の美味しさを知り、何が良い味で、何が悪い味なのか理解することも重要です」と強調します。

 

「目標達成の為には、ゴールがどこにあるのかを正確に把握すること。また、どういう味わいで、どんなプレゼンなら勝てるのかをしっかり見極めることです。ちなみに、僕は味のバランスを重視しましたが、ジャパン大会とワールド大会では味はまったく違います。

大会はその業界のアンバサダーを選んでいます。独りよがりな練習ではなく、他者を巻き込んで。またアドバイスや助けを求めることをためらわないことも大事です」と締めくくりました。

 

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WORLD BREWERS CUP 2016・世界チャンピオンとして、経営者として、農園支援を行う慈活動家として……さまざまなアプローチでコーヒー業界に携わる粕谷講師から、学生たちはポジティブなメッセージを感じ取ったはず!

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